歯列矯正を検討する上で、誰もが気になるのがその費用です。自由診療であるため高額になりがちな治療費ですが、「自分は銀歯が多いから、通常よりさらに高くなってしまうのではないか」という不安を抱えている方も少なくありません。この疑問に対する答えは、一概には言えませんが、多くの場合「銀歯があること自体が、矯正の基本料金を直接的に吊り上げるわけではない」と考えてよいでしょう。矯正治療の基本的な料金は、主に治療の難易度や期間、使用する装置の種類(表側矯正、裏側矯正、マウスピース矯正など)によって決まります。銀歯の有無が、この基本料金の算定に大きく影響することは稀です。しかし、銀歯が多いことによって、結果的に追加の費用が発生する可能性は確かに存在します。具体的にはいくつかのケースが考えられます。一つ目は、矯正治療を開始する前の「前処置」にかかる費用です。矯正装置を付ける前に、適合の悪い銀歯や、内部で虫歯が進行している銀歯をやり直す必要がある場合、その治療費は別途必要となります。これらは多くの場合、保険適用の範囲で治療できますが、矯正とは別に費用がかかることを念頭に置く必要があります。二つ目は、矯正治療中のトラブル対応です。銀歯に付けたブラケットが外れやすい場合、再装着に際して追加の料金が発生するクリニックも一部にはあるかもしれません。そして三つ目が、矯正治療が完了した後の「審美的な修復」にかかる費用です。せっかく歯並びが綺麗になったのだからと、これを機に目立つ銀歯を、歯の色に近いセラミックなどの白い詰め物や被せ物に変えたいと希望される方は非常に多いです。この審美修復治療は自由診療となり、矯正費用とは別にまとまった費用が必要になります。結論として、銀歯の存在が直接矯正費用を高くするわけではありませんが、関連する処置でトータルの費用が増える可能性はあります。カウンセリングの際には、矯正費用の内訳だけでなく、こうした付随的な治療の可能性や概算費用についてもしっかりと確認しておくことが、後悔のない治療計画を立てる上で非常に重要です。
銀歯が多いと歯列矯正の費用は変わる?