エラの張りが気になるけれど、骨格的な問題ではなく、主に咬筋(こうきん)の過度な発達が原因である場合、歯列矯正治療と美容医療で人気のボトックス注射を組み合わせることで、より効果的かつ持続的なエラ張り改善効果が期待できることがあります。それぞれのアプローチの特性と、組み合わせることによる相乗効果について見ていきましょう。まず、歯列矯正治療は、歯並びや噛み合わせの不調和を根本的に改善することで、咬筋への不自然な負担を軽減し、歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖を緩和する効果が期待できます。これにより、過剰に発達していた咬筋のボリュームが自然と減少し、エラの張りが和らぎます。これは、いわば「原因療法」に近いアプローチであり、効果が現れるまでには時間がかかりますが、長期的に安定した効果が期待できる可能性があります。一方、ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)は、咬筋に直接薬剤を注射することで、筋肉の動きを一時的に麻痺させ、筋肉を萎縮させてボリュームを減らす治療法です。比較的短期間(数週間~1ヶ月程度)で効果が現れ、エラの張りをスッキリさせる即効性が期待できます。ただし、効果は永久的ではなく、通常3ヶ月~半年程度で徐々に元に戻っていくため、効果を維持するためには定期的な注射が必要となります。これは「対症療法」的なアプローチと言えるでしょう。この二つの治療法を組み合わせることで、どのような相乗効果が期待できるのでしょうか。例えば、歯列矯正治療を開始する前、あるいは治療中にボトックス注射を行うことで、まず早期にエラの張りを軽減し、見た目のコンプレックスを和らげることができます。そして、歯列矯正治療が進み、噛み合わせが安定してくるにつれて、咬筋への負担が根本的に軽減されていくため、ボトックス注射の効果が切れた後も、エラの張りが再発しにくくなる、あるいは再発の程度が軽くなる可能性があります。また、歯列矯正治療中にボトックス注射で咬筋の働きを弱めることで、歯ぎしりや食いしばりによる矯正装置への過度な負担を軽減し、治療をスムーズに進める助けとなることも考えられます。ただし、これらの治療を組み合わせる際には、それぞれの専門家である矯正歯科医と美容皮膚科医(または美容外科医)が、互いの治療内容を理解し、連携を取りながら進めていくことが非常に重要です。
歯列矯正とボトックス注射!エラ張り改善の相乗効果とは