歯列矯正の病院選びにおいて、治療費用は最も気になる要素の一つです。しかし、単純な金額の安さだけで選んでしまうと、「思わぬ追加料金で総額が高くなった」「安かろう悪かろうで満足な結果が得られなかった」といった失敗に繋がりかねません。後悔しないために、契約前に必ず確認すべき費用に関するチェックリストをご紹介します。まず最初に確認すべきは、「料金体系」です。矯正治療の費用体系は、主に二つに大別されます。一つは「トータルフィー制度(総額制)」。これは、治療開始前に、装置料、調整料、保定装置料など、治療終了までにかかる費用の総額が提示されるシステムです。治療期間が延びても追加料金が発生しないため、費用の見通しが立てやすいのが最大のメリットです。もう一つは「処置別払い制度」。こちらは、最初に装置料を支払い、その後は通院のたびに調整料や再診料などを支払っていくシステムです。一見、月々の支払いは安く感じられますが、治療が長引けば長引くほど総額が高くなる可能性があります。どちらの制度が良いかは一概には言えませんが、契約前に自分のクリニックがどちらの体系なのかを明確に理解しておくことが重要です。次に、提示された金額に「何が含まれていて、何が含まれていないのか」を細かく確認しましょう。例えば、治療前の精密検査・診断料は含まれているか?抜歯が必要な場合の費用は別途かかるのか?治療後の保定期間中の観察料は含まれているか?矯正装置が破損した場合の修理費は?こうした「見えにくい費用」を事前にリストアップして質問することで、後々のトラブルを防ぐことができます。特に、「調整料(処置料)」は毎回の通院で発生する費用なので、一回あたりの金額と、おおよその通院回数を把握しておくことが大切です。透明性の高い料金設定は、信頼できるクリニックの証でもあります。安さという言葉の魅力に惑わされず、これらの点をしっかりチェックして、納得のいく病院を選びましょう。